【SASブランド連載】第2回 シンプル化の手法とは何か

  2023年05月24日
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スマートエイジングサポート(以下SASと呼ぶ)は、製品やカスタム品設計の受託を行っています。
お客様が満足できる「納期 と 品質」をお届けできるようにするため、5年前から「SASブランド」を立ち上げ、社員全員で力を合せて日々の業務を行っています。

その活動をご紹介する「SASブランド」シリーズの、今回は第2回になります。
前回(第1回)に続き「SASブランドとは何か」という中で、ブランドを築くための中心的な考え方となる「シンプル化の手法」についてご紹介します。

連載記事はこちら → 第1回(第2回) 第3回  第4回   第5回  第6回 第7回

【シンプル化の手法 とは】

日々業務を行っている中で、さまざまな事態が発生します。
製品設計の場合でも、要求される機能を実現させるだけに留まらず、性能を向上させたい…、納期を守りたい…、製品コストを下げたい…、今まで起きた問題点を改良したい…、費用を膨らませたくない…と言った要求も合わさってきます。
また、タイトなスケジュールで業務を行っている時に、何らかの問題が発生する場合もあります。
第1番目は、設計業務に限らず様々のシーンで使っている「シンプルに考える手法」です。

① シンプルに考える手法

複数の事象が重なりあっている場合や要求される事が複数ある場合に、その中にも相反するものがあったり、
優先されていることがあったりします。
何が重要であるか、何が本当の問題であるかを明確にしていくことが、早くより良い結果を出せる
という考え方に基づいています。
簡潔に言えば

  • 目的・目標を明確にする/問題を正しく定義する
  • 構成要素(パラメータ)に分解する/定義する
  • 要求事項を明確にする/定義する
  • 重要な要素を明確にする/クリティカルな要素を明確にする
  • 妥協点を見つける
  • 絞り込み/切り落とし(そぎ落とす)
  • といったことが挙げられます。

次に、製品設計やモノづくりにおいては、

② シンプルに設計する

要求仕様や性能、クリティカル工程の対処方法などを明確にした後に、本設計を開始します。
まず、ピラミッド型となるように設計する項目を決めて、その土台から順番に作り上げて行きます。
基礎の作り方で全体の出来栄えが変わってくると考えています。
構造をしっかりと考えて分かりやすく単純にしていくことで、基礎の上に積み上げていく各ブロックの機能やそれらの繋がり、信号や処理の流れが見えやすくなります。
その1つ1つをきちっと積み上げていくようにしたシンプルな設計を行うようにしています。

  • 単純な構造とする = 分かりやすくする(機能毎にまとめる)
  • 構造設計をはじめに行い、しっかり作り上げる
  • 部品化する = 流用性を上げる
  • 処理の流れが見えるようにする(見える化する)
  • 図面/コードは見やすくする
  • 機能ブロックの処理内容を図面/コードに記録する
  • 無駄な資料は作らない、増やさない

図面やコードの中には、各工程で検討した内容もできるだけ記載し、後工程でその検討内容を利用できるようにしています。
後々になってそれを思い出したり、それを担当者に聞いたりする手間や無駄な時間を減らすようにします。

設計中はもとより、設計が完了した後でも設計変更は少なからず発生します。
その時に、簡潔に見やすく思い出しやすく丁寧にドキュメントや図面、製品を作っていると比較的スムーズに設計変更ができるようになっています。
はじめからゴチャゴチャしたものでは、設変を行うにも時間がかかり、十分に理解せずに修正を行うことで潜在的な不具合を作り込んでしまう恐れもあります。

つまり、
設計中の作業を細部に渡って丁寧に成果物を作り上げていくことで、後工程になればなるほど、その効果は「時間短縮と出来栄え」
という面で大きく表れてきます。それは、「手離れが良い」という言い方もできます。

  • 製造時には、分かりやすく、ミスをしにくい。また、確認するための時間を減らせる
  • 設変時には、分かりやすく、変更が容易でミスが出にくい。また、確認するための時間を減らせる

③ シンプルな物づくりをする

  • 美しく綺麗に仕上げる ⇒ 後になればなるほど、効率が良くなる
  • 単純な構造とする ⇒ 部品数や種類を減らす/部品化する/共通化する
  • 土台から作り上げる ⇒ 銘板シールをきちっと貼付けて作業をする

モノづくりでも基礎となる土台から作ります。
例えば、部品や端子台の銘板シールの貼り付けをはじめに行うことで、その後の部品取り付け、配線作業はそれを見て行う事が出来るようにします。出来る限り頭の中で覚えて作業することを減らし、勘違いによる配線ミスを省くようにしています。
作業完了後のチェックでミスが分かり修正を行うことは、余分な時間が発生するだけでなく、一度綺麗に仕上げたものを変える事となり、その時には配線長さの違いにより仕上がり具合が修正前より悪くなるのが殆どです。

  • 綺麗に作られたものは、部品の交換や部品の追加が容易で、ミスも減らすことができる

第1回と第2回は、「SASブランド」についての紹介をしました。次回は、制御ソフト設計においての「シンプルなソフト設計の手法」についてご紹介したいと思います。ご期待ください。